2009年4月18日土曜日

コナミ vs アッパーデック 決着は着いたのか?

「英語でユ~ギオ~!」の方にも書いた記事なんですが、こちらにも。


遊戯王カード事業を巡るコナミとアッパーデックの対決に新たな動きがありました。

オランダの裁判所が4月7日、コナミに対して有利な決定を下し、その結果、コナミが欧州、中南米、オセアニアでも遊戯王カード事業を直接管理する権利を得た、ということです。
2月には、米国のアッパーデック・カンパニーが遊戯王カード事業から撤退していますし、これでコナミは全世界において、遊戯王カードの流通・販売・サービス事業を掌握したことになります。

昨年の12月11日にコナミが突然アッパーデックからの遊戯王カード事業の引継ぎを発表したことは、海外の遊戯王カードプレーヤーにとっては寝耳に水という感じで、何が起こったのかわけがわからなかったわけですが、その後、アッパーデックが自社の権利を主張したり、同社が契約打ち切りを不当としてコナミに対して裁判を起こしていることなどがわかり、事態は泥沼化しているようにみえました。

そして、その後、明るみになったのは、実はコナミによる契約打ち切りは、アッパーデックによるカード偽造の疑惑が原因だったという事実。
昨年10月にコナミはVintage Sports Cardsという会社をカード偽造の件で訴えていますが、そのVintageとのやりとりの中で、アッパーデックの関与の事実が浮上してきたというのですね。
それで、コナミはこの件についてアッパーデックに説明を求めますが、期限までに説明が得られなかったため、12月11日に契約打ち切りを発表、そしてアッパーデックをカード偽造の訴状の被告に加えた、というのが真相でした。

この裁判についてはまだ判決も下りてないようですし、アッパーデック側がコナミの契約違反を理由にコナミに対して起こしている裁判もあります。
ですから、この2社間の法廷での闘争はまだまだ続くと思われます。

ちょっとややこしいのがアッパーデックなんですが、米国の法人はアッパーデック・カンパニー(UDC)、そして欧州の法人はアッパーデック・インターナショナル(UDI)といい、法律上は別個の法人なんですね。
UDIとしては、偽造カードの件はUDCの問題なので、自社は関係がないと主張しているようです。

今回のオランダの裁判所における決定は何だったかというと、欧州でUDIがコナミによる契約打ち切りを不当としてコナミの事業差し止め請求をしていて、昨年12月の段階ではそれが認められたんですが、コナミがそれに対して控訴し、今回逆転勝利した、ということのようです。
しかし、これについては、UDIもまた法的手段を使って対抗する構えを見せているので、こちらも、しばらくは法廷でのごたごたは続くのかもしれません。

コナミの方は4月に入ってから、アッパーデック時代から開催されていたSHONEN JUMP CHAMPIONSHIPという大会を続行していくことや、新たなランキングシステムであるCOSSYというのを導入して大会の運営を行っていくことなどを次々発表していますので、プレイヤーたちの不安も払拭されていくことと期待されます。


<参照記事>
KONAMI Digital Entertainment 4月15日付け発表
アニメ!アニメ!「コナミ『遊戯王』TCG事業 欧州、中南米でも権利確認
Upper Deck International 4月15日付け発表
その他。


コナミvsアッパーデックの争いの顛末については、ありとあらゆる記事をブックマークしておいたので、その他の参照記事もまとめて、カードゲームの歴史的事件として(?)、そのうち(←これが怪しい)「英語でユ~ギオ~!」の一項目に入れておこうかと思います。

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