ちょっと前に某所にアップしたものなんですが、こちらにも。
異論を持たれる方もいらっしゃると思うので、なかなか踏ん切りがつかなかったんですが、今アップしなきゃいつするんだ?ってことで。
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4月5日から日本で放送開始された「鋼の錬金術師」は、「世界同時配信」ということで、日本の放送から数日以内に、世界各地でインターネットにより配信されています。
北米では9日に配信されたわけなのですが、この日本の放送との「数日のギャップ」が、なんと北米のアニメファンには待てないのですね~。
その間に既に、少なくとも3つのグループによるファンサブ(ファンによって作成される字幕)つきの動画が違法に配信されたそうです。
(参照:Ultimo Spalpeen 4月7日付記事「鋼の錬金術師」第1話の、海外での違法配信状況」
数日後に合法的に字幕付きの動画が無料で配信されるというのに、ファンサブ制作者は何のための翻訳作業だろうと自問することはないのかしら?と首を傾げましたが、北米のアニメファンたちにとって「即時性」がここまで求められている、ということを示すいい例だと思いました。
海外のアニメファンの熱はますます高まっているというのに、DVDが全く売れなくなってしまったのは、「ファンサブ」のせいだというのは前々から指摘されています。
NARUTOの海外同時配信も(有料)で始まっていますが、今の「世界同時配信」の流れは、ファンサブ封じと言われています。
その件も含めて、「ファンサブ」や「違法ダウンロード」のことで、某所で数名の人たちとやりとりをする機会がありましたが、海外のアニメファンの大半がファンサブを利用していることを「幼稚で利己的行為以外のなにものでもない」として、彼らのモラルを厳しく非難している人がいたんですね。
もちろん、無法ともいえるこの状況をそのままにしておくのは問題だと思います。
一方で、ファンサブがどれほど普及しているのか、その実態を「本当に」知っているのかな、とも思いました。
ファンサブの普及ぶりは、このインターネット時代すさまじくて、YouTubeやVeohなどにもアップされるため、ダウンロードという積極的な行為をしなくても、簡単に多くの人の目に触れるわけです。
息子のクラスメートのお父さんと話していたら、これまでアニメには興味のなかった人なんですが、BLEACHというのを息子と一緒にYouTubeで見始めたら(字幕付き)、面白くてハマッた、と言っていました。
このお父さんに、「ファンサブを視聴することは幼稚で利己的な行為なんですよ」と言ったとしても、ポカンとするだけでしょう。
現在、ファンサブを視聴している人たちの中には、「違法」だと自覚している人の方が少ないと思います。
あと、「遊戯王」に関していうと、英語吹き替え版が日本語版とかなり違うので、日本語版の内容を知る手立てがファンサブ以外にない、という状況もあります。
そうした状況で、「日本語版の内容を知りたい」と思う海外ファンの気持ちを「幼稚で利己的だ」ということは、私にはどうしても出来ないのです。
「ファンサブ」が違法行為であることは、誤魔化してはいけませんが、アニメを広く視聴してもらうことは、大げさに言うと、アニメという「文化」の発展のために意義のあることだと思います。
違法な手段を通してここまで盛り上がった海外のアニメ熱を、「違法だから」という理由で、ただの空騒ぎ、と切り捨てることができるでしょうか。
そういうわけで、「議論」(というほどのものではありませんでしたが)は、まぁうやむや~という感じで終わったわけですが、このたび、「アニメ!アニメ!」の数土直志さんの書かれた記事が、今後のアニメ業界の可能性にとても期待を持てる内容だったので、紹介しておきますね。
すごいよ、アニメ!
世界同時展開時代のアニメビジネス その課題と未来 -1-
世界同時展開時代のアニメビジネス その課題と未来 -2-
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